コールセンターの"Know How"

会社の電話機はソフトフォンの時代へ!メリットや使い方を解説

Apr 19, 2021 11:55:33 AM / by 長堀

オフィスワークでは社員一人に1台のパソコンが用意され、パソコン上でさまざまな業務をおこなうことができます。しかし、電話対応は現在でもデスクに置かれた電話機で対応することが主流でした。

そこで生まれたのが、パソコンなどのコンピューター上で通話ができる「ソフトフォン」です。現代ではソフトフォン導入企業が増加しており、これからはまさにソフトフォンの時代といえるでしょう。

この記事では、ソフトフォンを導入する企業が増えている理由やソフトフォンの使い方、導入するメリットなどについて詳しくご紹介いたします。

ソフトフォンとは?

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ソフトフォンとは、パソコンやタブレット端末にインストールした専用のソフトウェアを介して通話をおこなうことができるサービスのことです。

普段仕事で使用しているパソコンに電話機能を追加することで、業務の手間を大きく削減することができます。

ソフトフォンはインターネット環境があればどこにいても通話ができるため、在宅ワーク中でも会社宛ての電話を取ることができます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によってテレワーク・リモートワークを導入する企業が急激に増加したことで、ソフトフォンは数多くの企業に浸透しつつあります。

ソフトフォン導入企業が増加した理由

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テレワークやリモートワークの増加のほかにも、ソフトフォン導入が増加した理由があります。

それは、企業が「会社貸与でも個人持ちでも、取引先との電話連絡をスマートフォンでやらせたくない」と考えているからです。

なぜスマートフォンではなく、ソフトフォンのほうが良いのでしょうか?ここからはその理由について、詳しく見ていきましょう。

対応履歴を残したい

まずは、対応した履歴を残したいというのが理由の一つです。メール対応の場合、会社のアカウントを使用し、会社のサーバーを経由して受発信をおこなうため、必ず対応履歴が残ります。

スマートフォンの場合、対応は個人に任せられ、履歴についてもスマートフォンを操作して削除すれば消えてしまいます。

「取引先や顧客との大切な電話だからこそ、しっかりと企業側で管理したい」という理由から対応履歴の残るソフトフォンを導入する企業が増えています。

電話対応可能な状態は労働時間とみなされる

スマートフォンの場合、電源がついていれば基本的にはいつでも電話を取れる状態です。ここで注意したいのが、社員が電話を取れる状態は労働時間とみなされるということです。

過去には、昼休み中にスマートフォンで電話が取れる状態だったことを理由に、昼休み時間を労働時間として賃金の支払いを求める訴えを元社員が会社側に対して起こし、認められた事例もあります。

このようなトラブルを防ぐためにも、取引先との通話でスマートフォンを禁止する企業が増えています。

しかし、取引先との連絡手段が無くなってしまうのでは困ります。そこで導入されたのがソフトフォンです。

ソフトフォンはパソコンなどに接続する必要があるため、休み時間中や仕事が終わった後はパソコンの電源を落とせば電話を取ることができません。

業務とそれ以外の時間を分けることができるため、ワークライフバランスの改善にもつながります。

在宅コールセンターの増加

コールセンターは密閉・密集・密接という3密が起こりやすい環境です。

コロナ禍の現代では在宅勤務制度である在宅コールセンターの導入が急務と言われていますが、ソフトフォンであればわざわざ電話機などを用意する必要がなく、スムーズな導入が可能なため、在宅コールセンターを導入する企業に選ばれています。

ソフトフォンの使い方

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パソコンに専用ソフトウェアをインストールすると聞くと、ソフトフォンはとても操作が難しいと思われるかもしれませんが、実は簡単に操作が可能です。

ここからはソフトフォンの発信方法・着信方法について解説します。

発信方法

ソフトフォンを使って電話を発信する方法は4つあります。

顧客情報をクリックする

ソフトフォンの顧客管理画面から、電話したい顧客の電話番号をクリックすることで電話を発信することができます。

顧客の情報を確認したうえで電話をかけることができるため、かけ間違いを防ぐことにもなります。

アドレス帳から発信する

ソフトフォンのソフトウェア上ではアドレス帳の管理もできますが、アドレス帳で電話をかけたい人をクリックすることでも発信できます。

最初から電話をかけたい相手がわかっている場合にはアドレス帳から発信するのが便利でしょう。

電話番号をコピー&ペーストする

メールなどに記載されていた電話番号をコピーし、ソフトフォンの画面にペーストすることで電話を発信することができます。

ダイヤルする必要がないためかけ間違いもなく、コピー&ペーストで済むため番号を確認する手間もかかりません。

発着信履歴から発信する

電話の発信履歴・着信履歴も残るようになっているため、直前に電話をした相手などであれば発着信から発信するのも便利です。

着信方法

ソフトフォンはパソコン上にインストールした機能なので、使用するためにまずはパソコンを起動する必要があります。

パソコンを起動しておけば、相手から電話がかかってくると画面上で情報が表示されるようになっています。

通常の電話機の場合、相手の名前や電話番号のみしか確認できませんが、ソフトフォンの場合にはそのほかにも、あらかじめ登録しておいたさまざまな情報が表示されます。

相手の情報をしっかりと再確認してから電話を取ることができるため、丁寧な対応ができるでしょう。

ソフトフォンのメリット

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ソフトフォンについてわかったところで、ここからはソフトフォンを導入するメリットについて詳しくご紹介します。

コストの大幅ダウン

ソフトフォンの大きな魅力が、コストを大きく下げられるという点です。ソフトフォンを導入すれば、下記のようなコストダウンが可能です。

導入費用の削減

多機能なビジネスフォンは家庭用の電話機とは異なり、1台が高価です。そのため、何台も導入しようとすればコストは高額になります。

ソフトフォンの場合、電話機を購入する必要はなく、普段仕事で使っているパソコンにソフトウェアをインストールするだけで導入可能なため、コストを抑えられます。

通話料の削減

外出時や出張時などはスマートフォンが使われていましたが、スマートフォンの場合は通話料が発生します。

ソフトフォンの場合はインターネット環境があれば電話ができるので、通話料がかかりません。

ほしい機能をカスタマイズ可能

ソフトフォンには全通話録音機能やTV会議通話機能などの便利な機能が用意されています。

仕事をするうえで必要だと思えば新しい機能の追加や、顧客管理システムなど他システムとの連携ができるため、より便利に活用できます。

ほしい機能をカスタマイズすることで、使いやすい環境で効率的に業務をおこなうことができるでしょう。

オフィス移転・レイアウト変更がスムーズに

これまでであれば、オフィスの移転やレイアウトを変更する際にはパソコンと電話機、両方の配線を考えなければなりませんでした。

配線のレイアウトが複雑になる場合は専門業者に依頼するコストがかかるなど、手間もコストもかかってしまっていたのです。

ソフトフォンを導入すればパソコンのみを移動させるだけでいいため、手軽にオフィスのレイアウト変更がおこなえるようになります。

まとめ

スマートフォンやデジタルフォンなどの電話機を用意する必要なく、ソフトウェアのインストールだけで手軽に導入できるソフトフォンは今数多くの企業に選ばれています。

これまでのスマートフォンでの電話対応のような「対応履歴が残らない・会社で管理ができない」「社員の休み時間と労働時間の切り替えができない」などの問題を解消し、コスト削減などさまざまなメリットがあることも魅力です。

低コストで導入できるため、従来の電話機に不便さを感じているという方はソフトフォンの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

長堀

Written by 長堀