「サービス型コンタクトセンター」という意味をもつCCaaSは「Contact Center as a Service」の頭文字をとった言葉で、クラウド上で使用できるコンタクトセンターのソフトウェアです。
コンタクトセンターは、電話だけで顧客とやり取りをするコールセンターとは違い、メール、LINE、チャットなどさまざまなチャネルで顧客とコミュニケーションをとる窓口です。
CCaaSにはさまざまな企業が参入していますが、数が多いことからどの会社を選べばよいか迷ってしまうという方も。
この記事では、CCaaSについて詳しくご説明したあとに、CCaaSの会社をご紹介していきます。
CCaaSの導入に興味があるという方、CCaaSを提供している会社について詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
CCaaSとは、企業がクラウド上でコンタクトセンタークラウドシステムを利用できるサービスの総称で、一か所にオペレーターが集まって、自社サーバーで構築したシステムを利用するという従来の方法と違い、クラウドで運用するためオペレーターが、どこにいても顧客とやりとりができるというメリットがあります。
システムを統括するAIがオペレーションの最適化を図り、マルチチャネルを使用することで顧客とのやりとりを向上させたり、従業員のエンゲージメントを高めたりするという効果も。
顧客が知りたい情報や、伝えたい情報が瞬時にAIによって判断されて、適切なオペレーターに即座につなげることができるため、顧客から企業に対する満足度が高まり、待ち時間も短縮されることで顧客にストレスを感じさせません。
さらに、電話でのやり取りが少なくなっているミレニアム世代やその下の世代にとって、自分の好みのデバイスやアプリケーションから自由に企業へコンタクトが取れることは重要です。
CCaaSは、より顧客のニーズをくみ取ったサービスが実現できるとして、日本でも注目されているのです。
コンタクトセンターのオムニチャネル化が進み、顧客とオペレーターのチャネルをシームレスにつなぐことが必要となってきているなかで、CCaaSを提供する会社も増えてきています。
ここからは、CCaaSを提供する会社を紹介していきます。
Content Guruのサービスであるstormは、数百社もの世界最大規模の企業にサービスを提供していて、顧客から期待されるサービス品質を損なうことなく、問い合わせを簡単に解決できるソリューションです。
大量のコンタクトが発生しても対応可能とされる、無制限のスケーラビリティや、どんな場所やデバイスからでも簡単にアクセスできるのが特徴。
たとえば、緊急ではない問題に対しては、セルフサービス機能で迅速に解決することができるなどの機能が備わっていることから、複雑で、緊急性の高い問い合わせにオペレーターが対応できる時間が増えるなど、常に稼働しているstomによって、予期せぬアクセス急増にも対応できます。
調査会社ガートナーによるCCaaSの格付けで、リーダーとされているFive9のVCCは、音声やチャット、電子メール、SNSなどさまざまなツールを使用して顧客との対話を同時に管理、最適化できるアプリケーションです。
リアルタイムの履歴レポートや録音、スケジューリングなどの人事管理ツールから、品質監視、CRM統合などコンタクトセンターを運用するために必要なすべてを提供します。
コンタクトセンターをクラウドに移行することによって、従来行われていた大規模な先行投資や高価な保守費用が不要となることから、顧客満足の向上だけではなく費用も削減できるという特徴があります。
NICEが提供するCXoneは、コンタクトセンターのオムニチャネル化を推進し、管理者からオペレーターが離れた場所にいても適切なフォローや指導、評価ができることが特徴。
オムニチャネル化に加えて、チャネル横断のカスタマーエクスペリエンスや、顧客の声から生まれた気づきをレポートにするなどの機能を備えています。
管理者はリモート環境でもきめ細かい指示やオペレーターのケアをすることが可能で、既存のコンタクトセンターシステムと連携して必要な機能だけを追加することも可能です。
8×8はコンタクトセンターに必要な、アプリの混乱を排除する統合ツールによって、すべてのオペレーターの生産性を向上させ、すべてのチャネルをサポートすることで、顧客満足度を向上させます。
カスタマイズ可能なレポートで、顧客とのやりとりを分析して可視化することによって、コンタクトセンターの管理に必要な労力を抑えることも可能です。
GENESYSのCCaaSは、電話やEメール、チャットやSNSなどのチャネルを簡単に導入でき、現状だけではなく将来的なメディアの進化にも対応することができます。
顧客対応の適切な自動化を図ることで、セルフカスタマーサービスを推進しており、顧客の満足度を高めるだけではなくオペレーターの負担を軽減。
さらにAI技術によって顧客の利用状況に基づいた最適なリソースを予測するため、最適なアプローチができるという特徴もあります。
CCaaSと似ていることから比較されやすいUCaaSとは「Unified Communications as a Service」の頭文字をとった言葉で、ビジネスシーンにおいて多くのコミュニケーション手段を統合したサービスです。
UCaaSの機能は以下のようなものです。
UCaaSでは、さまざまなデバイスを利用して円滑にコミュニケーションを行うことによって、業務の効率化を図ることができます。遠方への出張や在宅勤務においても、会社に出社するのと同じような通信環境でコミュニケーションをとることができるのが特徴です。
また、UCaaSの利用によって社内コミュニケーションが活性化することも、企業にとって大きなメリットとなります。
このように、複数の通信チャネルを単一のデータソースとしてまとめるのがUCaaSで、コンタクトセンターの業務に関わるツールとなるのがCCaaSです。
CCaaSは、従来のコールセンター業務を劇的に変えることができます。さまざまなチャネルを使用することで、顧客の満足度をアップさせるだけではなく、オペレーターの負担も軽減することができるのです。
さらに、適切な指導によってオペレーターの質を向上させることもでき、企業としての成長に大きく貢献することは間違いありません。
新型コロナウイルス感染症の蔓延や、働き方改革によって在宅勤務やテレワークが続く昨今、時代のニーズに合わせるためにもCCaaSの導入は必須となるでしょう。また、早急に顧客との連絡が必要になるような場面でも、CCaaSを使用することで迅速な連絡が可能となります。
米国では多くの企業が導入しているサービスであるCCaaSは、日本国内でも徐々に注目されており、導入している企業や導入を考えている企業が増えているのです。
企業にとってさまざまなメリットがあるCCaaSの導入を考えているという企業の担当者の方は、この記事を参考にCCaaSの導入を検討してみてください。