コールセンター、カスタマサポートのノウハウ

カスタマーサポートのコールセンター開設の流れや必要なシステムを解説

作成者: 高橋|Mar 25, 2021 7:04:22 AM

お客様からの商品・サービスに対する問い合わせに対応するカスタマーサポートは、既存のお客様の顧客満足度に大きく影響するだけではなく、これから購入・契約を考えている新規のお客様の獲得につながる、重要な窓口です。

これまで、コールセンターの設置には多額の費用がかかると考えられがちでしたが、近年では安価に利用できるクラウド型のシステムが登場しており、簡単に効率的な顧客対応・管理ができるようになってきています。

この記事ではコールセンターを構築する大切なシステムや、開設の流れなどについて詳しくご紹介します。

事業規模が小さい事業者ほどカスタマーサポートが重要

コールセンターやお客様相談窓口などと呼ばれるカスタマーサポートは大企業であれば当たり前に窓口を設けていますが、中小企業の場合はコストや人的リソースなどの問題から導入できていないケースもあります。

しかし、事業規模が小さい事業者ほどカスタマーサポートが重要です。

新規顧客の獲得は既存顧客のリピート購入を促すよりも遥かにコストがかかるため、カスタマーサポートによって顧客満足度を向上させ、サービス継続やリピート購入などを促す必要があります。

また、小規模事業者などの場合、件数の少なさから担当ベースで顧客対応を行っていることもありますが、対応の遅れによって顧客満足度が低下したり、担当の離職とともに顧客も離れてしまうというリスクがあります。

コールセンターシステムは2種類ある

コールセンターのシステムには、クラウドにアクセスする形式で利用する「クラウド型」と、自社内に必要設備をすべて設置する「オンプレミス型」の2種類があります。

非常に低コストで導入できるのがクラウド型の魅力ですが、オンプレミス型にも数多くのメリットがあります。

各社のニーズに合わせ、最適なコールセンターシステムを選ぶことが大切です。

クラウド型

サーバー購入費用・システム開発費・配線工事費などの費用かかからず、初期費用と月間利用料のみで利用できるのがクラウド型です。

インターネットを通じてクラウドにアクセスし、必要なときに必要なだけ利用することができます。

導入コストを大幅に抑えられるほか、システムのメンテナンスをサービス提供者に任せることができるため、運用コストも抑えられるのがメリットです。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社にシステムを設置し運用する方式です。

サーバー購入費用・システム開発費・配線工事費など高額な初期費用がかかりますが、一からシステム開発をおこなうため、自社独自のシステムと連携しやすい、データを自社内で管理できるためセキュリティ面で安心などのメリットがあります。

厳しいセキュリティ基準を設けている企業や、自社独自のシステムが発達している企業にはオンプレミス型がおすすめです。

コールセンターに欠かせない3つのシステム

IT技術の発展によって、コールセンターシステムは大きく進歩しました。

効率的に業務をおこなうためのシステムはいくつもありますが、ここからはその中でも欠かすことができない重要なシステムについて詳しくご紹介していきます。

CTI(電話システム)

CTI(Computer Telephony Integration)とは電話とコンピューターを統合したシステムのことで、これまでのコールセンター業務を一変させる大きな変化をもたらした技術です。

通常の回線から発信された電話をパソコンなどのコンピューター上で処理可能なデータに変換することで、ネットワーク回線を使った音声通話を可能にします。

コンピューターとつながっているので、コンピューター上のアプリケーションとの連携することで「通話録音・レポート」「顧客情報の表示」などもできます。

CTIの登場により、顧客情報(氏名や住所など)を確認してからの電話対応が可能となりました。

PBX(構内交換機)

PBXは、コールセンターに設置されたたくさんの電話機を効率良く使うためのシステムで、かかってきた電話を適切なオペレーターに振り分けることができます。

自動音声で問い合わせ内容を選んでもらい、それによって適切な担当オペレーターに電話を振り分けるなどの活用方法があります。

このほか、発着信の制御、社内の内線同士の通話や、スマートフォンへの転送などもおこなえます。

もしもPBXを導入しなかった場合、1人の顧客からの入電に対しコールセンターに設置したすべての電話機がなってしまうことになり、対応効率が低下してしまうでしょう。

CRM(顧客管理システム)

CRMとは、顧客の情報を管理するシステムのことです。顧客の氏名や住所、年齢などの基本情報や応対履歴などをデータ化し、保存します。

CRMと連携すると、応答前に顧客情報が表示されるため、電話を取る前からどのような顧客からの電話なのかを把握したうえで対応することができるようになります。

それぞれの顧客のニーズを把握し、最適なコミュニケーションを実現するカスタマーサポートに欠かせない重要なシステムです。

コールセンター開設の流れ

課題や問題を解決していくためには、ただ開設するのではなく「自社に合ったコールセンター」を立ち上げることが大切です。

ここからはコールセンター開設の流れについてご紹介します。

  1. コールセンター開設の目的設定…どのような成果を期待してコールセンターを立ち上げるのか、KPIを含めて明確な目的を設定する
  2. 業務内容の設計…現状を調査したうえで、業務プロセス・人材育成などコールセンターの詳細な設計を進めていく
  3. システム・設備の用意…コールセンターに必要なシステム構築、電話機器調達や回線契約など
  4. マニュアルの作成…システムに合わせたマニュアルを作成し、スムーズに業務開始できるようにする
  5. オペレーター採用・研修…マニュアルを活用しながら、コールセンターで働くオペレーターの採用と研修をおこない、運用体制を構築する

なかでも重要となるのが、最初におこなう「コールセンター開設の目的設定」です。

「業務効率化」「売上向上」「顧客満足度向上」など、目指したいゴールによってもアプローチは変わってくるため、後でブレてしまうことのないよう、目的は明確に設定する必要があります。

また、設定したゴールはコールセンターの全スタッフに伝え、共通理解が得られるようにすることが大切です。

コールセンター開設にかかる費用

コールセンターの開設および運営には、下記のような費用がかかります。

立ち上げるコールセンターの規模やクラウド型・オンプレミス型などによってもかかる費用は異なるため、事前にどのくらいのコストがかかるかを把握したうえで、コストを抑えるための方法を検討しましょう。

  • 初期費用…サーバー購入費用・システム開発費・配線工事費・電話機費用など。CTIシステムは数十万円〜数千万円と料金に幅がある
  • 運用・保守費用…システム運用費・通信費・オフィス賃料・メンテナンス費
  • 人件費や採用費…人材を募集するための費用や採用コスト、オペレーターの人件費など。一般的にコールセンターの賃金は幅が広く、時給で約1,300〜2,800円ほど

まとめ

コールセンターは既存顧客の顧客満足度を高めるだけではなく、新しくサービスや商品を利用したいと考えている顧客との接点となるなど、売上アップ、ブランドイメージ向上などさまざまな役割を担っています。

費用についても、近年では技術の進歩から安価に導入可能なクラウド型という選択肢も登場し、より手軽にスピーディーに導入することができるようになりました。

自社に合ったコールセンターを開設するためには、目的を明確にしたうえで最適な選択をすることが大切です。ぜひ記事を参考に、コールセンター開設について検討してみてください。