コールセンターとは、お客様からの問い合わせに対し、電話で対応する部門のことです。近年ではチャット、メール、はがき、FAXなど問い合わせ方式の多様化から「コンタクトセンター」と呼ばれることもあります。
お客様から寄せられる問い合わせ内容は多岐にわたり、商品やサービスについての疑問や意見、クレームなどさまざまです。
お客様と企業の接点となるコールセンターは企業の顔とも言える重要な部門ですが、これまでは構築コストの問題から「コールセンターは多額の予算をかけられる大企業しか構築できない」と考えられがちでした。
しかし、現代では技術の進歩によって自動化や効率化が進み、安価にコールセンターを構築できるようになってきています。
今回ご紹介するのはコールセンターの自動化についてです。自動化システムを導入することで、オペレーターのいないコールセンター(=コストのかからないコールセンター)を構築することが可能です。それでは、詳しくご紹介していきます。
コールセンターの業務は主に「インバウンド」と「アウトバウンド」の2つに分けることができます。
インバウンドはお客様からかかってきた電話に対応する業務です。購入した商品・サービスについての問い合わせのほか、これから購入を検討しているお客様からの問い合わせに対応します。商品・サービスに興味があるお客様への対応となるため、商品・サービスのしっかりした知識が求められます。
アウトバウンドの場合はその逆で、自分からお客様に電話をかける業務です。すでに商品・サービスを購入したお客様へお礼をしたり、新しい商品・サービスの案内をしたりします。また、見込み客にも電話をかけますが、話を聞いてくれる人は少ないため、根気強さが求められる業務です。
このようなインバウンド、アウトバウンドの業務は、下記のようなシステムを使うことで自動化することができます。
ここからは、それぞれのシステムについてより詳しく解説していきます。
オートコールとは、CTI(コンピューターと電話を連携させる技術)によって自動で電話をかけていくシステムのことです。
日時や時間帯、電話番号など、あらかじめ指定した内容で一斉に電話をかけます。そして、お客様と電話がつながるとあらかじめ録音していた音声が流れるという仕組みです。
オートコールはこの後でご紹介する自動音声応答システム(IVR)と組み合わせることもでき、お客様にプッシュボタンで回答してもらうことでコストを抑えつつ細やかな対応が可能です。
一斉に電話をかけることができるオートコールにはさまざまなメリットがあります。
オートコールでは自動で発信するため、1日により多くのお客様に電話をかけることができます。
オペレーターの場合1日1人200件ほどですが、オートコールは1日1台で6,000件から200,000件ほど発信が可能です。
発信後は自動音声が対応するため、オペレーターによって品質が変わるということが起こらず、安定した品質で一律の対応ができることも特徴です。
また、これまでの対応を分析することで内容を向上させることもできます。
今まで人手を割いていた業務をオートコールによっておこなうことで、コストを削減することができます。
さらに、定型的な業務をオートコールが担うことで、オペレーターは人手が必要な複雑な業務に集中することが可能です。
テレアポの場合、クレームや生産性の悪い通話内容になることも多く、オペレーターのストレスの原因となっていました。
このような通話を軽減することでアウトバウンド業務に携わるオペレーターの離職防止につながります。
自動音声応答システム(IVR)は数多くの企業が活用しており、BtoCビジネスには特に欠かすことができないシステムです。
お客様からかかってきた電話に対して音声が自動で対応し、音声案内に従ってお客様がプッシュボタンなどの操作をおこなうことで問い合わせへの回答ができます。
ここからは自動音声応答システムのメリットについて詳しくご紹介していきます。
自動音声応答システムを導入すれば、深夜などオペレーターの対応が難しい時間帯でも24時間365日、自動音声がお客様に対応することができます。
仕事などでどうしても営業時間内に電話できないお客様も、時間を気にせずストレスフリーで疑問を解決可能です。
オペレーターのスキルがマッチしないことで問題が解決せずたらい回しにされたり、何度も同じ説明をしなければならなくなったりすると、顧客はストレスを抱えることになります。
自動音声応答システムでは、プッシュボタンによる回答内容に合わせて最初から用件に適したオペレーターにつなぐことが可能です。スムーズに問題解決ができることで、満足度向上につながります。
また、自動音声応答システムでは折り返しの連絡予約もおこなえます。一定時間が経過したら自動的にお客様を折り返し連絡へ誘導し、オペレーターの手が空いたタイミングで折り返すことで顧客満足度の低下を防ぎます。
お客様からかかってくる電話の数に対し、オペレーターの数が不足していれば応答率は低下してしまいます。
オペレーターとの通話が不要な単純な問い合わせや、商品の注文・解約、商品の無料サンプル請求など自動音声応答システムで対応可能なものは対応し、オペレーターによる対応が必要な用件のみ取り次ぐことで、応答率を高めることができます。
現在でも多くの企業がオートコール(CTI)や自動音声応答システム(IVR)を導入することでコールセンターの自動化をおこなっていますが、将来的にはさらに高度な自動対応も可能になると考えられています。
現在でも、お客様からの電話やメールの内容、お客様の感情をAIが自動で分析するなど、応対品質向上につながる技術が登場してきています。
近い将来、より顧客に寄り添ったカスタマーサポートがおこなえるよう、AIによって蓄積した膨大な応対履歴データをデータベース化し、活用することが求められるようになっていくかもしれません。
コールセンターの構築というとコストがかかると思われがちですが、現代ではオートコール(CTI)や自動音声応答システム(IVR)などの自動化を支援するシステムの登場により、オペレーターのいない、コストを抑えたコールセンター構築が実現可能になっています。
コールセンターはお客様との大切な接点であり、リピート購入や購入を迷っているお客様の後押し、離れてしまいそうなお客様を引き止めるなど売上に直結する大切な役割を担っています。
ぜひこの機会に、コールセンターの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。