サービス型コンタクトセンター「CCaaS」とは「Contact Center as a Service」の略で、コンタクトセンターのソフトウェアを、企業がクラウドで利用できるというものです。
では、そもそもコンタクトセンターとはどのようなもので、CCaaSにはどんなメリットがあるでしょうか?
CCaaSの導入を考えているという方は、メリットをよく理解したうえで自社に最適なサービスかを考えたいですよね。
この記事では、コンタクトセンターについて、CCaaSを導入する7つのメリットをご紹介します。
CCaaSの導入を検討している企業の方は、ぜひ参考になさってください。
コールセンターは聞きなれた言葉ですが、コンタクトセンターという言葉は聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?
まずは、コンタクトセンターについて、詳しくご紹介します。
コールセンターは、電話を使用して顧客とコミュニケーションを行う部署や部門のことで、顧客からの質問や問い合わせ、クレームなどの対応をするのがコールセンターの業務となります。
一方でコンタクトセンターは、業務内容はコールセンターと基本的に変わらないものの、コミュニケーションの方法が電話以外にも、FAXやメール、チャットボットなど複数のチャネルで行われます。
簡単に言えば、電話での問い合わせのみに対応しているのがコールセンター、多用なチャネルに対応しているのがコンタクトセンターということになります。
企業によって呼び方が異なる場合もあり「カスタマーサポートセンター」や「ヘルプデスクセンター」などと呼ばれていることもあります。
コミュニケーションの手段が多様化したことにより、電話のみの連絡では顧客の満足を得られないこともあります。
顧客が自分の好む手段で問い合わせをできるという環境であることが、顧客満足を向上させることにつながると考えられているのです。
さらに、消費者は購入した商品やそれにかかわるサービスだけではなく、企業との対話にも価値を感じるような時代に変化しています。
そのため、顧客の価値観に対応できるようコンタクトセンターを設置することで、コミュニケーションをとりやすい環境をつくることが必要となっています。
CCaaSは、企業がクラウドでコンタクトセンターソフトウェアを利用できるサービスの総称です。
CCaaSを使用することで、一か所にオペレーターが集まり、自社サーバーで構築したシステムを使用するといった従来のやり方をする必要がなく、クラウドで運用するためコストを抑えられるというメリットがあります。
システムを統括する形でAIがサービスの根幹にあり、オペレーションの最適化を図っているのが特徴です。
大手アナリストのガートナー社によると、2019年に10%だったコンタクトセンタプロバイダーのCCaaSが、2022年には50%を占めると推定されています。
マルチチャネルを使用して顧客とのやりとりを行うことや、従業員のエンゲージメントを高めるという観点からこのように推測されており、日本でも注目を集めているサービスです。
CCaaSの導入を考えている方は、実際導入することでどのようなメリットがあるのかを把握しておきたいですよね。
ここからは、CCaaSを導入する7つのメリットをご紹介します。
知りたい情報や伝えたい情報が瞬時にAIによって判断され、適切なオペレーターへ即座につなげることや、自分の好みのチャネルによって対応できることで、顧客から企業への満足度が高まります。
従来のコールセンターやコレクトセンターで起こる待ち時間も短縮され、迅速に対応できることで、顧客が企業からの対応に不満を感じることが少なくなるでしょう。
従来のコンタクトセンターシステムでは、顧客情報や対応した際の情報、製品の情報などをオペレーターがパソコン上で画面を切り替えて対応していたため、手間や時間がかかっていました。
しかし、CCaaSならすべての情報を一元化することができるため、顧客からの質問に対してオペレーターが即座に対応でき、オペレーターの質を向上させることができます。
オペレーターの質が上がることで顧客満足の向上も図れることや、管理する側も顧客とのやりとりを追跡しやすいという特徴があります。
CCaaSの大きな特徴といえるのは、オムニチャネル化されているということです。
顧客が自分好みのデバイスやアプリケーションから企業にコンタクトをとることが可能なので、電話、チャット、メールなどで簡単に会話を続けることができます。
さらにAIが顧客の知りたい情報により、適切な担当者へ即座に回線をつなげるため、より顧客のニーズをくみ取ったサービスが可能となります。
自社でソフトウェアを作成するとなると、導入する際の初期費用や社内ITスタッフの配置、システム障害時の対応コストなどさまざまな費用がかかります。
クラウドサービスであれば、回線さえあればどこからでも使用可能となり、自社サーバーをもつ必要がないためコストを大幅に削減することができます。
自社が必要なテクノロジーだけを購入して使用することが可能なので、フルカスタマイズで自社に最適なサービスを導入できます。
オペレーターの増減にも簡単に対応できるため、自社のニーズに応じてすぐにライセンス数を変えることが可能です。
コロナ禍による在宅勤務で困難だとされていたコールセンターの業務も、CCaaSを導入していればどこからでも勤務が可能です。
実際に、CCaaSを多く導入しているアメリカでは、在宅への運用に切り替えることも難しくありませんでしたが、日本国内においてはCCaaSの導入率が低く、多くの企業のコールセンター、コンタクトセンターがパンク状態となってしまいました。
BCP対策とは、事業継続のために対策を講じることで、自然災害、事故、不祥事などあらゆる場面で、事業への損害を最小限にとどめて早急に復旧させる、訓練やマニュアル、設備などを指します。
前述したように、コロナ禍での在宅勤務への切り替えをはじめ、早急に顧客と連絡を取らなければならない場面でも、CCaaSのシステムを使えば簡単に一人ひとりの顧客への連絡が可能となります。
BCP対策を講じている企業は取引先からも信頼が厚く、新規顧客の獲得にも役立ちます。
コンタクトセンターについて、CCaaSを導入する7つのメリットをご紹介しましたが、参考になりましたか?
CCaaSを導入することによって、コストやBCP対策といった面だけではなく、顧客満足を向上させることやオペレーターの質を上げることができます。
今後新型コロナウイルス感染症が集束したとしても、働き方改革の面からも在宅勤務やテレワークは続くだろうとされているため、時代のニーズに合わせるためにもCCaaSの導入は必要となってきます。
米国では多くの企業がすでに導入しているサービスなので、日本国内でも徐々に注目され、導入しようと考える企業が増えています。
さまざまなメリットから、CCaaSの導入を考えているという方はぜひこの記事を参考に検討してみてください。